1990年代の歴史とファッションをざっくり解説

tar

●アメカジ歴15年
●174cm
●着用イメージやサイズ感の参考に。
●実際に使用して、良かったものを記事にしています。

今回は、1990年代に流行ったファッションや歴史を、ざっくりと解説していこうとおもいます。

特に1990年代は、グランジロック、ヒップホップ、ストリートファッションの時代だと言われています。

時代背景

バブル崩壊とファッション

1989年、平成の幕開けの時代にバブルは最高潮となりますが、1991年に崩壊。日本は不景気となります。

ポイント

バブル崩壊の『バブル』とは泡のこと。急速な好景気と一瞬ではじけ飛ぶ様子を泡に例えて『バブル経済』や『バブル景気』と呼びます。

バブル期までの日本人は高級ブランドやDCブランドを強く好む傾向にありました.

しかし、バブル崩壊により、『ストリート・スポーツ・古着をどうオシャレに着こなすか』がトレンドになっていきます。

そういった背景もあり、90年代は様々なファッションスタイルが誕生します。

90年代に流行したファッション

  • グランジファッション
  • HIP-HOPファッション
  • ストリートファッション

グランジファッション

1990年代前半に流行したグランジロック

語源は、グランジ(Grunge:汚れた)という俗語です。

特徴は、古着のネルシャツやカーディガン、穴の開いたジーンズやスニーカーなどで着くずしたスタイルです。

NIRVANAとグランジ

NIRVANAのカート・コバーン
出典:Wikipedia

へヴィメタル、USハードコアの流れを組む音楽は、グランジロックと呼ばれ、代表的なバンドとして有名なNIRVANA

セカンドアルバムの『NEVER MIND』は全世界で800万枚以上売り上げ、世界的に有名になりました。

当時の若者達を魅了した代表曲です。

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聞いたことある!っていう人も多いですよね?

彼らのロックは『オルターナティブ・ロック』や『グランジ・ロック』と言われるようになりました。

グランジファッションは、NIRVANAのヴォーカル、カート・コバーンが大きなシンボルとなり生まれました。

そして、カートを筆頭に好きなバンドTシャツを着て、そのバンドを宣伝するというカルチャーも流行りました。

HIP-HOPファッション

黒人社会のアイデンティティ

グランジファッションと同じころ、アメリカではHIP-HOPも流行っていました。

HIP-HOPは、ニューヨークのアフリカ系アメリカ人のカルチャーからきており、黒人社会のアイデンティティを示すものとして誕生しました。

1970年代、日常を表現する言葉にリズムを乗せる『ラップ』はもともとは黒人居住区ブロンクスから生れたストリートミュージックです。

『ラップ』はリズムを頼りに言葉の韻を踏み、主張や不平等、差別による不満を歌にします。

ラップは1990年代にパブリック・エナミーなどのグループにより全世界に広がっていきます。

知っている人も多いと思いますが、このグループは、2013年にロックの殿堂に選ばれており、リンキンパークなどのバンドにも影響を与えた伝説的なグループです。

その後、ラップに乗せたブレークダンス、DJ、グラフィティ、そしてファッションが徐々に若者の中で確立されていきました。

HIP-HOPファッションの特徴

  • オーバーサイズのトレーナー
  • 金の鎖
  • スニーカー
  • スポーツ用ジャージー

また他にも、『靴紐は締めないで履く』などがあげられますが、これは、Run-D.M.Cがやってました。

ソース画像を表示
靴紐をしないでスニーカーを履くRun-D.M.C
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僕もやりましたけど、両足捻挫したのでやめました。

ストリートファッション

多くの若者を魅了したスタイル

90年代はストリート文化も盛り上がりました。

街中に集まる若者達に、オーバーサイズのファッションが流行りました。

元々は、ヒップホップの影響ですが、ヒップホップ以外の音楽シーンにも広がり、多くの若者を魅了したスタイルです。

スケーターファッションの特徴

  • オーバーサイズのトップス
  • ロンT×Tシャツの重ね着スタイル
  • 足元はスリッポン
  • 動きやすさを意識して全体的にルーズ

90年代のファッションを知るならこの映画

1995年に上映された映画『KIDS』

写真家であるラリー・クラーク氏の処女作品です。

内容は、過激で当時のアメリカで話題となりました。

リアルを追求するために、実際に映画に出ている少年少女はド素人で、ほぼ大人がでてこない実験的な作品です。

この映画の注目する所は、内容も過激で見どころですが、プロの写真家が映画監督として撮影したところです。

映像がかなり美しく映像作品としても楽しめる作品です。

当時の少年達の私服をそのまま映画に使っていますので、90年代のファッションの多くを見る事が出来ます。

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90年代のファッションを知るならこれでしょう。

ファッションの二極化

1990年代初頭のバブル崩壊から今日まで、日本のファッションは二極化したと言われています。

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単純に高いor安いの二極化です。

何故かと言うと、バブル崩壊後の約10年間の経済状況がマイナス成長となり、消費が低迷したからです。

お金持ちはよりお金持ちになり、セレクトショップ や高額ブランドショップが支持される一方で、その他大勢の消費者には、いわゆる価格追求型ビジネスに注目が集まっていきました。

そんな経済状況の中で台頭してきたのがファストファッションです。

ファストファッションの台頭

『早い・安い・おしゃれ

1990年代は、ファッションのグローバル化が進み、ファッションの幅が大きく広がりました。

同時に消費者の価値観も大きく変化した時代です。

バブル期までの日本は高級ブランドいわゆる、DCブランドを強く好む傾向にありましたが、バブルの崩壊の影響により、価格追求型ビジネスに注目が集まっていきました。

そうした中、台頭したのが『早い・安い・おしゃれを売りにするファストファッションです。

ファストファッションは人々が気軽におしゃれを楽しむことを可能にしました。

UNIQLOフリース

誰もが気軽に着られるカジュアルウェア

1994年にユニクロのフリースが誕生。

それまでは、登山用として限られたシーンに向けて流通していたフリースを、誰もが気軽に着られるカジュアルウェアとして販売し、成功します。

特に流行のきっかけとなったのは、1998年にユニクロを原宿店にオープンしたことです。

当時、急成長を遂げて話題となっていたユニクロが原宿に出店し、フリースを目玉商品として打ち出したことで、多くの人々に認知され、一躍フリースブームが巻き起こりました。

流行った理由3選

  • 低価格
  • 魅力的
  • 供給力

低価格

従来のフリースが一般に普及しなかったのは理由があり、一着 5000 ~10000 円ととても高価なものだったからです。

しかしユニクロは一着 1900 円という超低価格で販売することでクリアしました。

この安さを実現できたのは、インドネシアで原料を糸にし、人件費が圧倒的に安い中国で染色、縫製することによっ て生産体制をローコストにしたからです。

魅力的

フリースは軽くて薄く、保温性も高くて暖かく、以前から登山や極寒の防寒用として使われてきました。

フリース自体は確かに機能面は優れていましたが、色やバリエーションが乏しくて、地味だったので、一般に普及しませんでした。

そこで、ユニクロ定番の白、黒に加え、水色、紫、黄色など華やかな色を追加
カラーバリエー ションは 1999 年には 15 色、2000 年には51色まで加えました。

テレビCMも放映されるなど、フリースの魅力をメディアに乗せて日本中に浸透し、『ユニクロ=フリース、フリース=ユニクロ』という認識を決定的なものにしました。

供給力

ユニクロの強み、凄いところはあまり注目されませんが、供給力です。

フリースを売りに出す頃、ユニクロは SPA 業態(小売業が自社の生産した商品を 販売する業態)を確立していました。

この SPA 業態の確立と、前述のように中国において安い人件費での大量生産が可能になったことで、1998年に2001万枚を生産、 販売することが出来ました。

1990年代の終わり

1990年代は、自身のコーディネーション力の向上にともなって、自分の価値観で自分らしいライフスタイルを確立することができた時代でした。

tar

個人的には、カート・コバーンのファッションがすごく好きで、モヘアカーディガンを今も集めています。

時代的には、不景気でしたがファッションにおいては細分化されて一つ一つのカルチャーが熟成された面白い時代だと思います。

最近では、1990年代に作られた洋服達はヴィンテージ扱いになりつつあり、今後、間違いなく希少価値が高くなっていきます。

収集癖がある方や好きな方は、今のうちに収集しておくといいかもしれません。

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