読む前に結論
- この記事は、ブラウンビーチの歴史と購入時の注意点について書いています。
- これを読むと、知識が増えて次回の買い物が楽しくなります。
- 是非、最後までお付き合いください。
ブラウンズビーチの歴史
1901
アメリカのマサチューセッツ州ウースターにてWiliam.W.Brown(ウィリアム・W・ブラウン)氏がBrown's Beach Jacket Companyを設立。
1920〜1930
Brown's Beach Companyで作られたジャケットとベストは、防寒性と機能性の良さから、過酷な条件で働く労働者に愛用されました。
人気の高さ故に、1920年代~30年代には東海岸から全米に広がりました。
1960年代
時代の流れからアウトドアウェアにポリエステルやナイロンなどの軽量素材が開発される。
その影響から、ブラウンズビーチカンパニーは、衰退の一途をたどり、60年代後半には消滅してしまいます。
2010
現在は日本のアパレル会社フルカウントがライセンスを持っており、当時のものを忠実に復刻しています。
ライセンスを取得したフルカウントは、ヴィンテージを徹底的に研究し、生地の配合、シルエットや、ポケット位置・角度など全てに拘り生産しています。
ブラウンズビーチジャケットの特徴
- 『BEACH CLOTH(ビーチ・クロス)』
- 表と裏で違う生地
- パイピング
『BEACH CLOTH(ビーチ・クロス)』
通称『ごま塩』
最大の特徴は、ブラウンズビーチカンパニーが開発したビーチ・クロスというニット素材。
2色の異なる番手を撚り合わせることで、表面にランダムな色味が現れ、凹凸のある独特な生地となります。
ランダムに表れる特有の色味が由来となり、『ごま塩』と呼ばれます。
クロスビーチは、独特の色味と凹凸なので、見る人が見れば、すぐにブラウンズビーチだと分かります。
表と裏で違う生地
画期的なニット
ビーチクロスは、ラッセル織機を使用して高密度で2重に編むことで肉厚感のある編み物に仕上げています。
高密度で編むことでしっかりとした質感と、生地そのものの光沢がでてきますので高級感がでてきます。
表面はコットンで耐風性、裏面がウールフリースで保温性に優れた2重構造のニット生地です。
ニット生地なので、伸縮性があり着用時には、立体感があります。
パイピング
一貫したデザイン
ブラウンズビーチカンパニーの全てのジャケットやベストの生地の端をパイピングしデザインを統一しています。
Brown’s Beach の年代判別
1901年から1960年代まで作られていたブラウンズビーチ。
60年以上の歴史があると年代によってディテールに違いが出てきます。
基本的には、ボタンとタグで年代判別が可能なので、この機会に押さえておきましょう。
1920年代
1920年代から1930年代頃に見られる「黒金タグ」。
黒金タグには、横長と縦長のタグの2種類あり『BROWN’SBEACH JACKET』と刺繍されています。
ボタンの仕様は、ニップルボタンとスナップボタンの2種類あります。
1920年代の特徴
- 黒金タグ
- ニップルボタン(ドーム型)
- スナップボタン型
ボタン刻印- 「BROWN’S BEACH JACKET刻印」
- 「BROWN’S BEACH VEST刻印」
- 「無刻印」
特にニップルボタンは、古い年代に見られる特徴です。
1930年代
1930年代も「黒金タグ」で同じく縦と横の2種類あります。
ボタンの仕様は、ニップルボタン(陥没型)とスナップボタンがあります。
1930年代の特徴
- 黒金タグ
- ニップルボタン(埋没型)
- スナップボタン型
ボタン刻印- 「BROWN’S BEACH JACKET」
- 「BROWN’S BEACH VEST」
- 「無刻印」
1920年代と似ていますが、ボタンのディテールに違いがありますので、押さえておきたいポイントです。
他にも、シンチバックが付いたり、古い年代は、フロントが、Vネックという特徴も見られます。
1940年代
タグのデザインが、四角から三角タグに変わります。
1920〜1930年代のものと比べると、かなり分かりやすい変更点ですね。
大きく違う点は、色が黒色から白色に変わり、生地が刺繍からプリントに変わっています。
ボタンの仕様は、スナップボタンです。
ボタンの刻印は、『BROWN’S BEACH CLOTH』に変わります。
1940年代の特徴
- 三角白プリントタグ
- スナップボタン型
ボタン刻印- 「BROWN’S BEACH CLOTH」
古い年代にみられたシンチバックはなくなり、40年代からは、丸首になります。
1950年代〜1960年代
この年代の特徴は、タグが2つに分かれる所です。
首元の数字が目立つシンプルな『白タグ』は、サイズ表記用です。
内側に付く、四角のタグには、ブランド名のBROWN’S BEACH JACKETが入ります。
1950年代〜1960年代の特徴
- タグが、2つに分かれる。
- 『白タグ』は、サイズ表記用
- 『四角タグ』は、ブランド名
ちなみに古着屋でみかけるBROWN’S BEACH は50〜60年代のベストを見かけることが多いです。
1960年代
内側に付く、四角のタグは、BROWN’S BEACH JACKETの頭文字をとり『BBJ』と書かれたタグに変わります。
大きくインパクトのあるデザインとなります。
首元のタグは、変わらずシンプルな白タグです。
ボタンの仕様は、『BROWN’S BEACH CLOTH』から『BROWN’S BEACH JACKET』に刻印が変化します。
1960年代
- 『BBJ』と書かれたタグ
- ボタン刻印
- BROWN’S BEACH JACKET
ブラウンズビーチ購入時の注意点
ヴィンテージのブラウンズビーチを購入する際には、いくつか注意点があります。
パイピングのスレ
洋服の構造上、襟口、袖口に施されたパイピングは傷みやすいので、擦り切れに注意しましょう。
特にブラウンズビーチは、パイピングが他の洋服よりも多いので、買う前に必ず見ておきたい部分です。
縮みや変形
これは、古着全体に言えますが、表記サイズは、あてになりません。
必ず試着するか、ネット購入の場合は、実寸サイズを参考にしましょう。
実用的なポケットではない
ブラウンズビーチのポケットは、他のジャケットと比べると、かなり小さいです。
形状や大きさはバランス的に美しいですが、実用的とはいえないので、装飾品として楽しめる人におすすめです。
ブラウンズビーチまとめ
BROWN'S BEACH JACKET COMPANY(ブラウンズビーチジャケット社)は、1901年マサチューセッツ州ウースターにて設立。
BROWN'S BEACH JACKET COMPANYが製作した素材をBEACH CLOTH (ビーチクロス)と言います。
ブラウンズビーチが製作したジャケットやベストは、タフで防寒性・機能性に優れていたことから、多くのワーカーやアウトドアマンに愛用されました。
何故、防寒性に優れたかというと、ビーチクロスという生地が特殊な構造をしており、綿とウールを高密度に2重織りしているからです。
その為、重量感があり、耐久性が高い生地が生まれます。
1960年代に衰退し姿を消しますが、今でもなおヴィンテージ市場で高額で取引されています。
今では、古着好きの方は一度はその名を聞いたことがあるほど有名なアイテムとなりました。
古着屋で出会えば、どの年代か、ディテールを見るのも楽しいブラウンズビーチ。
オリジナル自体希少ですが、30年代頃の古いものは、特に歴史的価値が高く、これからは、価格がさらに高騰することが予想されます。
今後、見つける事がさらに厳しくなっていきますので、サイズが合えば、買いたいですね。